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慶応クルージングクラブOB会

36年ぶりの相模湾横断

36年ぶりの相模湾横断

―真鶴航海記―

森田栄一(1978年卒)

2013年8月14日火曜日10時、坂の上から眺める油壺湾はいつもの静かな佇まい、何時見てもここからの風景には癒されます。夏休みの今日はPacific Boys2に乗って、真鶴への2days cruising。私にとっては36年振りの相模湾横断です。メンバーは81年卒の岩崎・安良城・仰木、そして岩崎の会社の同僚の肥田野氏と、78年卒の私森田の5名。Pacific Boys2は81年卒のメンバーの所有艇で私は居候です。身分は最上級生、でも態度は最下級クルーの謙虚な態度を心掛けております。

始まりは同期で、理事である外山からの二年振りの電話でした。あまりに久し振りだったので悪い知らせかと思い電話に出ると、「どうせ暇してんでしょ、今度のKCC Cupに出なさい、船はPacific Boys2にでも乗せて貰って」という強引な電話。逆らうと大変な事になるので、止む無く参加しました。

大学卒業後8年程は転勤地の広島で船に乗っていました。その後は極めて平均的なサラリーマンとして、休日といえば子供の相手・休日出勤・接待ゴルフと雑用に追われ、全く海とは縁の無い生活でした。

でもやはり海に来ると目覚めてしまいますね。深い緑の両岸に挟まれた静かな油壺湾から出港し、東大臨海実験所の岬を廻った時に見える沖の白波、心震えました。やっぱり還る場所は此処しか無いと。それ以来月に二回位のペースでPacific Boys2のご厄介になっています。

11時出港。沖に出ると、南の風、風速5メーター。ガスっているので伊豆半島は見えませんが、迷ナビゲーター安良城の「真鶴は270度位でしょう」との指示で、その方位に向かいます。本当に着くか?写真は左から仰木、私、迷ナビゲーター安良城。

森田

まだ出港したばかりですが、他にする事もなく、当然の様にビールで乾杯。別名「居酒屋岩崎」の異名を誇るPacific Boys2。シェフ岩崎が、早速お得意の胡瓜の塩漬けを作ります。生姜が利いて実に旨い。鰹の刺身やら、烏賊げその生姜炒めやら、次々出てくる料理に舌鼓を打ち、馬鹿話に興じている内に、3時無事に真鶴入港。写真真ん中は下準備に余念の無い岩崎シェフ、他は怠け者の二人。

森田2

そもそも何故真鶴かと言えば、お土産物屋の店先で、七輪で干物を焼きながら飲み、酒屋の店内で美味しい日本酒を飲むのが目的との事。全員上場企業の社員であるメンバーの行動とはとても思われませんが、迷わずお土産物屋に直行。

まずはアジの干物から始めます。「この店は芸能人が多数来るんよ」というオバちゃんの自慢話を聴きながら、アジ・カマスの干物を食べまくり、ビールを飲みまくり、でもまだ陽は高く、今日の宴会は何時まで続くのか?写真は左から肥田野氏、仰木、岩崎。肥田野氏、既に撃沈!

森田3

次に訪問した地元の酒屋さん。好きな日本酒の一升瓶を購入し、缶詰やら乾き物で一杯やるスタイル。お酒は富山の銘酒「立山」を購入。酒屋のオバちゃんとは真鶴在住のカナダのヨット乗りの話題で盛り上がりました。写真は左から仰木、安良城。仰木撃沈!

森田4

その後船に全員で戻り、身体の整備のために近くの旅館でお風呂を借りました。お風呂に入り一段落した後は、船の甲板で一杯、また一杯。寝静まった港に響く、中年?老年?ヨットマン達の雄叫び。迷惑な雄叫びは夜更けまで延々と続きました。写真は港内から見た真鶴港の入港灯。やっぱり夜の灯台は良いですね。

森田灯台

翌日は早く東京に帰って孫と一緒に一日を有効に使うという安良城お爺ちゃんが5時前からごそごそ始めたので、5時前には出港。昨日と同じく南の風、風速5メーター、昨日よりかなりガスがかかっている。出港して間もなく、美しい朝日を拝めました。全員黙礼

森田朝日

帰途ではケンケンに挑戦。事前にいろいろと研究した結果、右舷からは表層狙いの飛行板を、左舷からは中層狙いの潜行板を流す。ちらちらと後方を気にしながら油壺に向かっていると、飛行板に何かがHIT。マグロか真鰹かと夢は拡がります。BUT、上げてみればいつものシイラ。釣れる魚は36年前と変わらなかった。トホホ。写真は私と可哀想なシイラ君。

森田7

可哀想なシイラ君は岩崎シェフの手にかかり、すぐに生姜焼きに変身し、我々の胃袋に納まりました。

森田8

そうこうしている内に、10時には帰港。楽しい、楽しい真鶴クルージングでした。「Pacific Boys2のメンバー、乗せてくれてありがとう。いつも感謝してるよ!」

これを読んでいるOB・OGの皆様の中に、海と縁のなくなった方が多数いらっしゃると思います。私もそうでした。でも久し振りに海に還って、改めて海の素晴らしさを思い出しました。煩わしい仕事、家族の問題、将来への不安、この年になるといろいろありますが、一瞬全て忘れました。太陽が沈む時の凪いだ夏の黄昏はもちろん、冬の荒れる海、重い風、黒く険しい波、あれが全て私の原点だと思い出しました。海の素晴らしさをより多くの人に、再び味わって頂きたいと思います。

拙い文に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

2 Comments

  1. いまごろになって目を通しました。どのページに掲載されているかわからなかったものですから、、、。
    森田さん、ありがとございます。きっとこれからもっともっと楽しくなりますこと請け合いです!

    • コメントありがとうございます。このHPは外山さんが日々工夫して見易くしていますからね。大したものです。島さんも是非寄稿をお願いします。

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